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出版社に著作権侵害で訴えられた電子図書館の側にGoogleブックスの著作権侵害訴訟担当弁護士が参加


非営利団体・インターネットアーカイブが約140万冊のデジタル書籍を無料で読める電子図書館「National Emergency Library(国立緊急図書館)」を公開したことに対して、出版社が著作権侵害を訴えていた件で、書籍全文検索サービス・Googleブックスの著作権侵害訴訟に携わった弁護士や電子フロンティア財団がインターネットアーカイブを守るために立ち上がったことがわかりました。

EFF & Heavyweight Legal Team Will Defend Internet Archive's Digital Library Against Publishers * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/eff-heavyweight-legal-team-will-defend-internet-archives-digital-library-against-publishers-200626/


2020年3月、インターネットアーカイブは新型コロナウイルスの感染拡大に伴って都市封鎖などが行われている状況を鑑みて、自宅待機中でも読書や学習の機会が失われないようにという目的から電子図書館「National Emergency Library(国立緊急図書館)」をオープンしました。

無料で読める140万冊の本をインターネットアーカイブが公開 - GIGAZINE


インターネットアーカイブはこの試み以前から電子図書館を公開していましたが、現実の図書館と同じく「返却」システムが組み込まれていたので、「読みたい本が貸し出し中で借りられない」といった事態が発生していました。

「国立緊急図書館」は、新型コロナウイルスの影響によって自宅待機を強いられている人が多数いる状況を踏まえたものなので、1人10冊までなら自由に本を読むことができる仕組みです。


これに対して、大手出版社はインターネットアーカイブを「偽善の極み」と非難し、著作権侵害であると主張。インターネットアーカイブは「フェアユース」であるという主張だったことから、訴訟を起こされる事態となりました。

数百万ドル(数億円)規模の損害賠償請求に対し、インターネットアーカイブでは2020年6月30日まで継続予定だった図書館を2020年6月13日に終わらせて元の貸出スタイルに戻し、訴訟を取り下げるように求めていましたが、出版社側は「国立緊急図書館」だけではなく、従来の貸出形式も「海賊版稼業」であるという捉え方で、両者の和解の糸口は見つかっていませんでした。

「無料で約140万冊の本が読めるインターネットアーカイブの電子図書館は著作権侵害だ」と出版社が訴える - GIGAZINE


ここに、インターネットアーカイブ側の援軍として現れたのが電子フロンティア財団と法律事務所・Durie Tangriです。電子フロンティア財団は、電子図書館によるデジタル貸出は「重要な公共サービス」であると表現。他の図書館でも行っているように、インターネットアーカイブが所有する書籍をもとにしたスキャンデータを貸し出しているものであると主張しています。

電子フロンティア財団と共に、Durie Tangriのジョー・グラッツ弁護士もインターネットアーカイブの擁護を行っています。グラッツ氏は、書籍全文検索サービスであり、著作権切れ書籍については全文を閲覧することもできる「Googleブックス」がかつて受けた著作権侵害訴訟を担当した経験のある人物であり、ニュースサイト・TorrentFreakでは、電子フロンティア財団と弁護士がいかに真剣に問題に取り組んでいるかが伺えると記しています。

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in メモ, Posted by logc_nt

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