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Appleが2021年に「リリースできなかった機能」にはどんなものがあるのか?


Appleは自社製OSのiOS・iPadOS・macOSにおいて、1年のうちに何度かアップデートを行ってさまざまな新機能を追加しています。ところが、中には2021年中にリリースするとみられていたものの、12月になってもリリースされていない機能も存在します。そこで、「2021年にリリースできなかった機能」について、Apple関連のニュースを報じるウェブメディア・Macworldがまとめています。

Apple is running out of time to deliver on its 2021 promises | Macworld
https://www.macworld.com/article/557089/apple-ios-macos-features-universal-control-xcode.html

◆ユニバーサルコントロール
Appleは2021年6月8日に開催された開発者向けイベント「WWDC 2021」で、macOS MontereyiPadOS 15の新機能である「ユニバーサルコントロール」を発表しました。ユニバーサルコントロールはMacとiPadをシームレスに連携する機能であり、同じAppleアカウントで紐付けられたMacとiPadを横に並べておくと、単一のキーボードやマウスで複数のデバイスにまたがって操作が可能になるというもの。

ユニバーサルコントロールの詳細な内容については、以下の記事を読むとよくわかります。

MacとiPadを横に並べるだけで直接連携が可能になる「ユニバーサルコントロール」の仕組みとは? - GIGAZINE


Appleの公式サイトでは「今年の秋」に利用できるようになると書いてありますが、記事作成時点でもユニバーサルコントロールはリリースされていません。ベータ版でもほぼ登場していないことから、2021年内にユニバーサルコントロールがリリースされる可能性はかなり低いとみられています。

◆SharePlay
SharePlayとは、Appleの通話アプリであるFaceTimeを使ってコンテンツの再生を共有できる機能であり、FaceTimeでつながりながら一緒に音楽を聴いたり動画を見たり、スクリーンを共有したりすることが可能。すでにiPhoneとiPadでは利用可能となっていますが、macOSではまだリリースされていません。しかし、MacworldによるとmacOS Monterey 12.1のベータ版ではSharePlayが利用できるようになっているとのことで、そう遠くないうちにMacでもSharePlayが使えるようになる可能性が高いそうです。

◆Appプライバシーレポート
Appleはアプリによる広告目的のユーザー追跡を許可制にする機能「App Tracking Transparency(ATT)」を導入するなど、ユーザープライバシー重視の方針を掲げています。そんなAppleはデバイス上のアプリによるセンサーやデータ、インターネットへのアクセスに関するデータを保存し、レポートとして閲覧可能にする「Appプライバシーレポート」の導入を計画しています。記事作成時点では一般ユーザー向けにリリースされていませんが、iOS 15.2のベータ版では利用可能になっていることから、すでにリリース間近であるとみられています。


◆Digital Legacy(デジタル遺産)
AppleはWWDC 2021で、新しいデジタル遺産プログラム「Digital Legacy」を発表しました。これはユーザーの死後、指定した人物にデバイスのデータを引き継ぐことができる機能であり、残された人は復旧コードを利用して亡くなった人のApple IDへのアクセスを要求できます。記事作成時点ではiOS 15.2のベータ版に含まれているため、2021年中に一般ユーザー向けにリリースされる可能性もあるとのことです。

死後に遺族があなたのiPhoneデータへアクセスできる機能がiOS 15.2 Beta 2で追加 - GIGAZINE

by Thibaud Saintin

◆身分証明書や運転免許証の追加
Appleは、Apple Walletを利用してiPhoneやApple Watchに運転免許証や身分証明書を追加する機能の導入を予定しており、2021年9月にはアメリカのアリゾナ州・コネチカット州・ジョージア州・アイオワ州・ケンタッキー州・メリーランド州・オクラホマ州・ユタ州で、Apple Walletを利用して身分証明書の提示が可能になると発表されました。しかし、この機能の実装には公的機関との連携が必要になるため、実際に利用可能になるのは2022年になるとみられています。

iPhoneやApple Watchで運転免許証や身分証明書が提示できるようになる地域が発表される - GIGAZINE


◆Swift Playgroundsを利用してのアプリ提出
Swift Playgroundsとは、Appleが開発したプログラミング言語・Swiftの開発環境であり、初心者がプログラミングを学べるアプリとして人気を集めています。AppleはWWDC 2021の中で、Swift Playgroundsで開発したアプリをAppleの統合開発環境であるXcodeでビルドすることなく、そのままApp Storeに提出することが可能になると発表しました。この機能はまだ一般向けにリリースされていませんが、一部開発者に提供されているSwift Playgrounds 4のベータ版で利用可能になっているとのことです。

◆Xcode Cloud
WWDC 2021で発表されたXcode Cloudは、Xcodeアプリに組み込まれたクラウドサービスであり、開発者はアプリの構築や複数自動テストの並列実行、テスターへのアプリ配信、フィードバックの表示と管理といった、アプリ開発を支援するさまざまなツールを利用できます。Xcode Cloudはベータ版として徐々に展開されているものの、正式にリリースされる時期がいつになるのかは未定です。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by log1h_ik

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