東京地裁は25日、会社法違反(特別背任)の罪で追起訴された前日産自動車会長、カルロス・ゴーン被告(65)の保釈を再び認める決定をし、ゴーン被告は同日夜、東京拘置所から保釈された。東京地検特捜部は地裁決定を不服として準抗告したが、地裁が棄却した。保釈保証金は5億円。3月6日の保釈時にも10億円が納められており、計15億円と過去2番目の高額となった。
3月に保釈された際は作業着にマスク姿で軽自動車に乗り込んだが、25日は白いワイシャツとダークスーツに身を包み、堂々とした様子で迎えの黒いワンボックスカーに乗り込んだ。
地裁は決定理由を明らかにしていないが、関係者によると、証拠隠滅の恐れはあると判断した上で、公判準備への影響や健康状態などを重視して保釈を認めた。保釈条件に妻、キャロルさんとの接触禁止が新たに加わった。家族との接触禁止が条件となるのは異例だ。
一方、同地検の久木元伸次席検事は「被告が事件関係者に対する働き掛けを企図していたと認め、証拠隠滅の疑いがあるとしながら、保釈を許可したのは誠に遺憾」とコメントを出した。検察が裁判所の保釈判断にコメントするのも珍しい。