もうあと1週間ほどで4月が終わる。この春、高校や専門学校、大学に進学した新入生の中には、すでに新しい友だちができた人もいれば、「お母さん、僕は今日も1人です。たぶん、ゴールデンウィーク中もずっと1人です」と心の中で泣きながら報告している人だっているだろう。

そのような状況はひとまず置いておいて、新入生にとって、4〜5月のこの時期に最も大事なことは何かと聞かれたら、私は「まずは学食に行ってメシを1人で食べること」だと答える。その理由を以下で説明しよう。

・「学食ぼっち飯」で結果的に気持ちが楽になる

当たり前といえば当たり前なのだが、この時期 大抵の新入生は友達を作ることに必死である。もちろん、それ自体は悪いことでも何でも無いが、友達を作らなきゃという感情が強すぎるあまり、「いつも誰かと一緒にいないと怖い」となりがちではないだろうか?

ここで、「全くなってないよ」という人は無問題。しかし、少しでも「そんな感情が芽生えてるかな……」と思ったら、なるべく早めに1人で学食へGOだ。人によって、最初は「ボッチ飯、キツイっす」と思うかもしれないが、慣れればどうってことないぞ。

なぜこんなことを言うかというと、「いつも誰かと一緒にいないと怖い」という感情は、マジで面倒なヤツだからだ。自分にとっても、周囲の友達にとってもな。だから、その感情をさっさと叩き潰しておくための学食ボッチ飯。

だって、「誰かと一緒じゃなきゃ怖い」という感情をいつまもで克服できなかったら、どうするの? 将来的に、1人になる状況なんていくらでもあるというのに……。

では、その感情をいつ克服するのか? いつやるのか?

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今、心の中で「今でしょ」と言った人! 残念ながら違うぞ。私が言いたかったのは、「ランチタイムでしょ」だ。ランチタイムに学食に行って1人で飯を食い、「誰かと一緒じゃなきゃ怖い」という感情を叩き潰してしまおうと言いたいのである。

・学食ボッチ飯に慣れない人は……

とはいえだ。「今までずっと誰かと一緒だった」人にとって、学食ボッチ飯は恥ずかしいと感じるかもしれない。だが、そんな人にこそ私は言いたい。あなたが1人で飯を食っていようが友達と食べていようが、大多数の人は「どうでもいい」と思っていることを。

きつい言い方かもしれないが、あなたはそこまで注目されていないし、「恥ずかしい」なんて感じるのがそもそもお門違いである。というか、ボッチの何が恥ずかしいんだ? 

・友達が多い人も一度は「学食ぼっち飯を」

──と、ここまで書くと、「私は自然と友達が出来たから、いつも友達と一緒に食べてるよ」という人も当然いるだろう。それはそれで素晴らしいというか、個人的にはすぐに友達ができるその社交性が羨ましいのだが、そんな人にも私は「学食ぼっち飯」をおすすめする。

だって、友達が出来やすいタイプだからといって、人間関係の悩みが無いわけじゃないだろ? 例えば、「『お昼を食べるのはこのグループ』という暗黙の了解が出来て面倒くさい」とか、「いつも一緒にいるグループと違うグループとご飯を食べたら、『なんで?』みたいな空気になる」とか、あるやん? 知らんけど、きっとあるやん?

だから、ここで学食ぼっち飯のジャブを入れておく。誘いを断るまではしなくていいと思うが、さっと席について、さっと食べちゃう。そうすることで、「私は別に1人でも全然ええねんで」ということを周囲の友達に行動でわかってもらう。それによって生まれる適度な距離感が、煩わしさの軽減に繋がるような気がするのだが……どうだろうか?

・「1人でいい」と思えたら楽

誤解しないで欲しいのだが、私は別に「友達を作る必要はない」と言っているわけではない。また、「みんな、友達作りに精出てますな〜バカじゃないの?」と斜に構えればいいと言っているわけでもない。

「積極的に交友関係を広げていこう」とする気持ちは大事だが、同時に「1人なら1人でも別にええわ」という気持ちもまた大切だと思うのだ。

──とにかく、新入生にとって学生生活は始まったばかり。友人関係だけでなく、今後色々と悩みが生まれるだろう。彼女ができないとか、彼女ができないとか、彼女ができないとか……。しかしそれを差し引いても、学生生活は “ネタの宝庫” とも言える面白い時期だと思う。友達と一緒でも、ボッチでも、自分のいいように楽しんでくれよな!

執筆:和才雄一郎
イラスト:稲葉翔子
Photo:RocketNews24.